こんにちは!Sora Dental Clinicです!
「前歯がかみ合わず、うまく食べ物が噛み切れない」「お子さんの口がぽかんと開いていることが多い」と感じたことはありませんか?もしかするとそれは、歯並びの異常である“開咬(かいこう)”かもしれません。開咬は、放置すると見た目や発音、食事だけでなく、成長や全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、早期の理解と対応が重要です。この記事では、開咬の特徴や原因、治療法、さらに家庭でできる予防策まで詳しくご紹介します。
開咬とは?特徴と見分け方
開咬とは、奥歯でしっかりと噛みしめても、前歯にすき間ができてしまう咬み合わせの異常を指します。英語では「オープンバイト」とも呼ばれ、見た目にも影響を与えるため、成長期の子どもや思春期の方にとって大きなコンプレックスになることもあります。たとえば、10代の患者さんで「人前で笑えない」という悩みを抱えるケースもありました。
また、食べ物を前歯で噛み切ることができず、すべての咀嚼を奥歯に頼るようになるため、顎の筋肉のバランスが崩れ、顎関節症を引き起こす原因にもなります。
開咬の原因とは?
開咬の原因は、大きく分けて「遺伝的要因」と「後天的習癖」に分類されます。
遺伝的要因
骨格的な問題で上下の顎の位置にズレがあると、自然に前歯が噛み合わない形になることがあります。家族に開咬の方がいる場合、子どもにも遺伝する可能性があります。
習癖による後天的な原因
特に多いのが、舌を前に突き出す「舌癖(ぜつへき)」や、長期間の指しゃぶり、口呼吸などの生活習慣です。
たとえば、8歳の女の子で指しゃぶりを続けていたケースでは、上の前歯が突出し、開咬が進行していました。
開咬による問題点
開咬をそのままにしておくと、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
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咀嚼不良: 前歯で食べ物が噛み切れず、食事がしづらい
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発音障害: サ行・タ行の発音が不明瞭になり、会話に自信が持てない
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見た目のコンプレックス: 前歯が目立つことで口元が気になり、表情が硬くなる
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顎関節への負担: 咀嚼のバランスが悪く、顎関節症のリスクが上がる
年齢別の開咬治療法
小児の場合
成長段階にある子どもは、開咬の早期発見と軽度の装置での治療が可能です。
たとえば、口腔筋機能療法(MFT)を使って舌の位置を正すことで、開咬の進行を止めることができます。5~9歳ごろの早期治療がもっとも効果的です。
成人の場合
永久歯が生え揃ってからの開咬治療には、マウスピース矯正やワイヤー矯正が主に使われます。
症例によっては、抜歯や外科手術が必要となることもありますが、最近では、非抜歯・非手術の症例も増えており、負担の少ない方法で改善できるケースが増えています。
開咬を予防するためにできること
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指しゃぶりを長引かせない: 3歳を過ぎても続く場合は早めの対策が必要
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鼻呼吸を習慣にする: 口呼吸が癖にならないよう、寝る前の姿勢や枕の高さも工夫
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舌の位置を整える: 舌は上顎につけるのが正しいポジション。MFTトレーニングで習得できます
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定期的な歯科検診: 歯並びの微細な変化を早期に把握できます
まとめ
開咬は、見た目だけでなく食事・発音・健康面にまで多くの影響を与える症状です。特に小児期からの正しい習慣と早期治療が、将来の負担を大きく軽減します。もし、お子さまやご自身の口元に気になる点がある方は、ぜひ一度専門の歯科医院に相談されることをおすすめします。
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、Sora Dental Clinicにお気軽にご相談ください。
Sora Dental Clinic 院長 新井 敦貴