指しゃぶりと歯並びの関係|舌癖トレーニングで改善できる?|Sora Dental Clinic|神戸市垂水区の歯医者

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指しゃぶりと歯並びの関係|舌癖トレーニングで改善できる?

こんにちは!Sora Dental Clinicです!
「子どもが指しゃぶりをやめられない」「歯並びに影響が出ないか心配」――そんな不安を抱えて検索している親御さんは多いのではないでしょうか。
本記事では、指しゃぶりが歯並びに与える影響、舌癖との関係、年齢別の対策、そして矯正治療の実例まで、専門的な内容をわかりやすく解説します。


1. そもそも指しゃぶりとは?

指しゃぶりは赤ちゃんにとって本能的な行動です。安心感を得る手段であり、入眠の助けにもなります。生後0歳〜1歳の乳児では一日の約6割が指しゃぶりをしているという調査もあります。発達過程では自然に減少していきますが、長引くと歯並びや噛み合わせに影響する可能性が出てきます。


2. 指しゃぶりと歯並びの関係

指しゃぶりが長期化すると、指が歯や顎に持続的な圧力を与えます。特に2年以上続いた場合、歯並びに変化が生じるリスクが高まります。

  • 出っ歯(上顎前突):上の前歯が前方に傾く

  • 開咬:上下の歯がかみ合わず、隙間ができる

  • 交差咬合:噛み合わせが左右にずれる

5歳児を対象にした調査では、長時間の指しゃぶりをしていた子の約35%に歯列不正が確認されたというデータもあります。


3. 年齢ごとの指しゃぶりと対応

年齢によって指しゃぶりへの対応は異なります。

  • 乳児期(0〜1歳):自然な行動であり、基本的に経過観察で大丈夫

  • 幼児期前半(2〜3歳):長時間続く場合は注意が必要

  • 幼児期後半(4歳以降):歯並びや噛み合わせへの影響が強く出るため、積極的な対応が望まれます


4. 指しゃぶりをやめさせる方法

家庭でできる工夫としては、スキンシップを増やして安心感を与えることや、代わりに絵本や遊びに集中させる方法があります。また、生活リズムを整え、ストレスを減らすことも効果的です。

さらに、指しゃぶり防止グッズ(苦み成分入りのマニキュアや手袋)を利用するケースもあります。ただし、強制的にやめさせると別の癖に置き換わる場合があるため、子どもに理由を説明しながら無理なく取り組むことが大切です。


5. 舌の癖と歯並びへの影響

指しゃぶりが落ち着いた後も、舌で前歯を押す「舌癖(ぜつへき)」が残ることがあります。舌癖は開咬や出っ歯の大きな原因であり、放置すると矯正治療が長期化します。

舌癖を改善する方法として、**MFT(口腔筋機能療法)**があります。例えば、舌を上あごに正しく置く練習や、唇と頬の筋肉を鍛えるトレーニングです。これにより、舌の位置と筋肉の使い方が整い、歯並びが安定しやすくなります。


6. 矯正治療例と実際の症例

指しゃぶりで出っ歯になった小学2年生の例では、舌癖トレーニングと部分矯正を併用し、約1年で改善しました。
一方で、指しゃぶりを放置した中学生では、抜歯を伴う本格矯正が必要になったケースもあります。早めに対応することが、治療の負担を減らすポイントです。


7. よくある質問(Q&A)

Q1. 3歳までなら本当に大丈夫?
A. 多くの場合自然に減りますが、長時間続く場合は注意が必要です。

Q2. 無理にやめさせると別の癖が出る?
A. その可能性はあります。安心感を得られる代替行動を一緒に考えることが大切です。

Q3. 大人になっても影響はある?
A. 舌癖が残ったまま成長すると、大人になっても噛み合わせや発音に影響します。

 


8. まとめ

指しゃぶりや舌癖は自然な行動である一方、長期化すると歯並びや噛み合わせに影響します。年齢に応じた適切な対応や舌癖トレーニングにより、多くの場合改善が可能です。
「お子さまの指しゃぶりが心配」という方は、早めに専門家へ相談してみてください。

本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、Sora Dental Clinicにお気軽にご相談ください。

Sora Dental Clinic 院長 新井 敦貴